毎日なんとなく繰り返している『買物』。

コンビニでちょっとした食べ物を買うとき、ネットショップで洋服などを選ぶとき、スーパーで野菜をカゴに入れるとき。その一つひとつの行動には、実は大きな意味があります。

●買物は投票
私たちは対価を払って買物をしたりサービスを受けたりしていますが、その一つ前を考えると、それは「価値を選ぶ行為」であり、社会に対して「私はこれを支持します」と意思を表明することであることにも気づきます。

同じように見える商品やサービスでも、誰が・どこで・どのように作ったかは大きく異なります。

たとえば、Tシャツ。見た目や価格だけでなく、その背景には生産者の労働環境、環境への負荷、企業の姿勢など、さまざまな『物語』があります。

つまり、何を買うかという行為は、「誰の何を応援したいか」という意志表明でもあるのです。

●奪い合いではなく、つながりを生む投資へ
私たちはこれまで、価格競争の中で「安さ」を求めてきたこともあるでしょう。ただ、極端な安さの裏には、誰かが不当に安い賃金で働かされていたり、環境が壊されていたりする可能性があることも忘れてはいけません。

「奪い合い」ではなく「支え合い」の視点が必要です。

「自分にとって安いから」「便利だから」と選んだものが、実は他の誰かを苦しめているかもしれない。そんな事実に気づくと、私たちの選択は変わり始めます。

それは、ほんの少しの視点の転換。
「この商品はどんな人が作ったんだろう?」「この企業はどんな姿勢で社会と向き合っているんだろう?」と自分に問いかけることで、見えてくることがあるでしょう。

たとえば、地元の八百屋さんから野菜を買うことは、その商店の存続を応援する行為。フェアトレードの食べ物を買うことは、生産地で働いている方々の応援。環境に配慮した商品を選ぶことは、持続可能な未来への投票です。

●日常生活の見え方が変わる瞬間
買物の視点が変わると、日常の見え方も変わってきます。

店舗に並ぶ商品一つひとつが、単なる「モノ」ではなく、「関わる人々の物語」に見えてきます。そして、『買う』『利用する』という行為にちょっとした責任感と、ささやかな誇りを感じるようになるでしょう。

●買物は投票
完璧でなくていい。いつもじゃなくていい。

少しだけ立ち止まって、「これはどんな社会を応援するだろう?」と考えるてみる。それが、今の私たちにできる、静かだけど強い変革です。

応援したい人・価値観・社会を、自分の手元にあるお金で後押しする。

さて、あなたは、どこに一票を投じますか?