
「リハビリは、病気やケガをした人が、また動けるようになるための訓練」
もしかしたら、多くの方がそう思っているかもしれません。
たしかに、それもリハビリの1つです。ただ、実はそれはリハビリテーションのごく一面にすぎません。
「リハビリテーション」という言葉の語源は、ラテン語にあります。
re:再び
habilis:適した、ふさわしい
これらが組み合わさって、「再び、その人にふさわしい状態にする」という意味を持っています。
重要なのは、「元どおりに戻す」とか「正常な値にする」とは限らないという点です。
その人にとっての“ふさわしい生き方”を取り戻すこと。
これが、リハビリテーションの根幹となる考え方です。
■もともと、リハビリは医療の言葉ではなかった
意外に思われるかもしれませんが、リハビリテーションという言葉は、もともと医学用語ではありませんでした。
中世ヨーロッパでは、
- 社会的な名誉の回復
- 権利や立場の回復
- 社会の中で再び役割を持つ
といった『社会的な回復』を意味する言葉でした。
つまり、
人が社会の中でどう生きるかに焦点が当てられていたのです。
■「動けるようになる」ことがゴールではない理由
たとえば──
- 歩けるようになったけど、外に出る気力がない
- 体は動くけれど、仕事や役割を失ったまま
- 家事はできるけれど、「自分の存在価値」を感じられない
こういった状態で「リハビリが終わった」と言えるでしょうか?
リハビリの目的は、その人が「自分の人生を生きている」と感じられる状態を支えることにあります。
この観点からすると、筋力をつけることや関節を動かすことは、それを達成するための一手段とも言えます。
■リハビリは病気やケガをした人だけのものではない
この考え方に立つと、見えてくることがあります。
- 仕事に追われ、自分らしさを見失っている人
- 年齢や環境の変化で、役割が変わった人
- 「このままでいいのかな」と立ち止まっている人
こうした人たちもまた、再び「自分にふさわしい生き方」を探している状態です。
つまり、
リハビリとは、人生の中でズレてしまったものを、もう一度整え直すプロセス
とも言えます。
- 生活を整える
- 習慣を見直す
- 体と心の感覚を取り戻す
- 自分に合ったペースを探す
これらすべてが、広い意味でのリハビリテーションです。
もし、あなたが
- 最近、なんだか自分らしくない
- 前はできていたことが、うまくできない
- この先、どう生きたいのかよくわからない
といった感覚を持っているなら、それは、生き方を”再適化”するタイミングなのかもしれません。
リハビリとは “再びその人らしく生きる” ことであり、その実現に向けた行動。
これは、誰にとっても関係のあることです。